おばあちゃんのおこのみあと三ヶ月!

 六軒道路は馬込川の端の東傍。角に「キヨシ看板」の看板のある路地を南に入ると、  「お好み焼・やきそば」 という看板がちんまりと壁についているものの店の名前は無い。

 いかにも「昔からあります」という感じのガラスの引き戸の奥にカウンターらしきものが一枚。「こういう店は一か八か(とてもうまいかとてもまずいか)」という確信をもって中に入る。

 中に入ると左手が一段高く畳の居間になっていて、そこのソファにおばあちゃんが座っている。つまりは住居の土間に焼き台とカウンターをしつらえた店というわけだ。ちなみにテレビは競馬中継、テーブルには花札・・・ し、しぶい・・・

 どっこいしょとおばあちゃん土間におりてきて店開き。 「肉入り焼きそば(350円)と肉入りお好み(300円)」を注文しカウンターで待つ。

「おしこんはいれていいかね?」 さすが下町のおこのみはそうでなくっちゃ。

 まずはお好みが出てくる。昔ながらの薄く焼いた生地を畳んで切ったタイプ。まさに大阪や広島の厚焼きに対する駄菓子屋のお好み。
 お好みを食べている間に焼きそばが焼かれる。これがまた昔ながらのストレート麺にひき肉、キャベツという懐かしい味。うまい。

 ちなみに目の前にオタフクソースが置いてあるが、実は下地に地元のトリイソースを使い、上からオタフクソースをかけるというダブル味。うーんこんなところに隠し技が。

 ちなみに食べながらおばあちゃんと楽しくお話。実はおばあちゃん今年齢90歳!  この店は50年になるという。さすがハンパな年期じゃない。
 でも大正生まれながら背筋がシャンと延びて、競馬はやる、花札は打つ、夜はカラオケと遊びも現役。身体も悪いところも何も無いそうな。

 ところがこの店、息子さんが中華料理のコックさんで、お好み屋をつぶして中華料理店を近々改装OPENするらしい。おばあちゃんがお好みを焼く場はつくれないということで隠居を余儀なくされるらしい。

 「まだ辞めたくないよぉ」という寂しそうな声を聞きながら、せめてあと三ヶ月は常連になるべし、と思った探検隊でした。

*ちなみに後で知ってる人に聞いたらそのお店、昔からやっている駄菓子屋さん兼お好み焼屋さんだったそうである。また一つ昔ながらのお店が消えていく・・・


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