2021年のボージョレーヌーボーは記憶に残る年となりました。
「百年に一度の当たり年」という類ではなく、
「手に入らない幻の年」としてです。
なぜなら、
発注締切の8月が、新型コロナウィルス蔓延による緊急事態宣言による飲食店の酒類販売禁止の最中で、解禁日の11月第三木曜日に収束しているかまったく見えず、発注できなかったからです。
飲食店から予約を取るということは、解禁日が酒類販売禁止の中でも買ってもらうこととなってしまい、かといって酒屋が見込み発注すれば、ただでさえ毎年残ってしまうヌーボーを大量に不良在庫として抱えてしまう恐れがあります。
緊急事態宣言下の飲食店での酒類販売禁止で大打撃を受けている中で、さらに追い傷を負うのは怖すぎます。
ヌーボーは
マセラシオン・カルボニックといって、炭酸ガスを用いて新酒の状態でも十分に飲める醸造法を用いる分、熟成には向かないと言われています。
マセラシオン・カルボニックについてはこちら
そして、船便が入る12月には価格が下がり、クリスマス商戦にはいるとシャンパン需要となるためヌーボーの販売時期は実質1~2週間とも言われ、少しでも販売禁止の時期と重なると飲食店も酒屋も売り切るのはかなり困難になります。
そんなわけで今年は個人のお客様の予約にほぼ限られ、最低ロットでとった分もあっさり完売してしまいました。よって解禁になってからご注文いただいても申し訳ありませんが販売できるヌーボーがありません
解禁日に在庫がある店頭は、ほとんど個人向けであって、飲食店で出されるようなプレミアム性の高いヌーボーはほとんどないのではないでしょうか。今年の飲食店で、業務用のヌーボーを提供できるところは、飲食店か酒屋が先を見越して仕入れた価値ある一本だと思います。ぜひご賞味ください。
なお、今年の当社のヌーボーの仕上がりは、
マスター・オブ・ワインの大橋健一氏の総評では
「2021 年は、近年数年続いた完熟性の高い、凝縮感あふれるスタイルとはまた違ったスタイルに仕上がっており、みずみずしさ、フレッシュさが全面に出たエレガントなスタイルのワインに仕上がっています。」
となっています。
↑クリックで別窓で開きます。
また興味深いヌーボーとしては
サントリーの
「
ジョルジュ デュブッフ オレンジ ヌーボー」
いまマスター・オプ・ワイン界でも話題となっているジョージア・ワインなどでも有名な「オレンジ・ワイン」のヌーボー版です。
「白ブドウの果皮や種を果汁と共に発酵してつくる」というものです。
ジョージアワインでは、白ワインに複雑なミネラルや塩味を感じられたりすると大橋MWも絶賛でした。
インスタにも映えると世界中で話題になっているとのことです。
もしどこかで見かけたら、ただでさえ希少な2021ヌーボーとして味わってみてください。