三ケ日みかんハイボール が売れている。酒屋からすれば「三ケ日みかんシロップ」が売れているのだが。
三ケ日みかんシロップはJAみっかびが発売しているが、実はこれはサントリーがJAに提案して連携した事業だとか。
三ケ日みかんのほかに、かぼす→大分県、梅→北野天満宮の特産梅、梅酒→紀州などのほかに青色の柑橘系シロップ→港をイメージ、青色のラムネシロップ→びわ湖をイメージ、赤色のシロップ→釧路の夕日をイメージなど日本全国26もあるのだとか。(サントリーのホームページでは見つからなかったorz)
三ケ日みかんハイボールの話を聞いたとき、これは面白いと思った。ただのハイボールを地ハイボールとして地域に根付かせ、そして県外の人間が旅などしたときにそのご当地を楽しむ。それこそ地酒の楽しみ方だから。 外国から持ってきた文化であるウィスキー・ハイボールをそのように進化させた企画は賞賛に値すると思う。
そのうち、「全国を旅してご当地ハイボールを制覇しよう」みたいな企画が出てくるのではなかろうか。鉄子さんやら、なんかしらんがレアカードだかの企画とタイアップもありうるのでは。もうやってるかな???
しかもその企画、トリスという商品を根付かせる為に考えられたものではないかと思う。
なぜなら去年、サントリーが何十年かぶりに大成功させたウィスキーの復活劇により白角が足りないという事態になった。白角は熟成されると山崎の原酒になるため、今後も好調と思われる山崎が足りなくなると儲けが減るのでなんとか確保したいという事態に。
そこでさらに若い響の原酒を持ってきて、この先も苦戦が予想される響なら出しても安心ということか白角から切り替えキャンペーンとあいなったと。
ちなみに昔のトリスとは中身は別物のはず。正直昔のサントリーがどんな製品を出していたかは今から想像もできないが、諸先輩のおっしゃる「アレを飲むと頭が痛くなる」というのは今はないのだろう。
そのトリス、熟成が若いせいかブレンデッド用の原酒だからか、なんとも味がない。そのため最初から割り材としての戦略がともなわれていた。つまりサワーの焼酎の代わりというわけである。味が薄いから他の味やフレーバーを邪魔しない。そして「安い分まずい」といわれるのも避けられる。
ただ、その副産物として、和食には合う。もともと和食はフレーバー(鼻から抜ける香りで味と認識されている)が淡白なので、フレーバーの強い酒は食べ物のフレーバー、つまり味を台無しにしてしまう。
さらに炭酸というのはそのフレーバーを引き立てる役割があるので、和食には実はハイボールより水割りのほうが合う。小雪のCMで白角のハイボールにアジのフライを当てているのは実にうまいと思う。アジのさしみやたたきよりフレーバーが強く、さらに庶民的で親しみやすい。
そのアジのさしみやたたきに合う可能性があるのがトリス。そのトリスをさらに水割りにしてしまうとほとんど水な気がするのでトリス=ハイボール戦略をとっていると思われる。ハイボールでも十分に和食に合う可能性がある。
脱線したが、その割り材としてただサワーの焼酎から安ウィスキーに変わっただけで終わらせない企画がこの「ご当地ハイボール」。
焼酎はもともと乙焼酎(=米・麦・芋などの本格焼酎)は地酒であり、日本酒とともにその楽しみがある。甲焼酎(主に割り材としての鏡月や真露など)は地酒色は少なくそれと同じウィスキーとして地酒レベルのお楽しみはまずない。その均一普遍のウィスキーを地酒にする企画として実に感慨深い。
私が佐治さんなら企画者にハワイ旅行でもご褒美にあげるかも(笑)三食ハワイのご当地パイナップルハイボール付きでw