今年のヌーボー

酒屋にとって8月末はヌーボー発注の締め切りです。11月第3木曜日に解禁の為、2ヶ月半以上前に注文をまとめフランスに発注するわけです。

ホテルや大手飲食店を除いては暑い8月にヌーボーといわれてもピンとこないわけで、酒屋が予測の上で発注し、あまれば酒屋の不良在庫、足りなければ売上チャンスを逃すことになります。

そんなことは商売の当たり前としても、ヌーボーの難しさは商品の命が3日間~一週間という生鮮もの並みということです。

日本が日付変更線の関係で世界で一番早く解禁を迎えることで初物好きの日本人の心を捉えてここまで大きくなった市場は、逆を言えば初物でなくなれは意味がないということ。

特別な醸造法で熟成させずに早く飲めるようにしたヌーボーは、その分同価格の普通の赤ワインよりおいしくないと思われがちです。よってボージョレー地区のワインを飲んでも時期を過ぎたヌーボーはいらないということもよく聞きます。

しかし、きちんとした生産者の軽く花の開いたような薫り高いボージョレー・ヌーボーはライトボディとしては悪くなく、日本の食事には重いフルボディの赤ワインより合う場合もあります。

問題は少々値段が高いということですが、それは解禁にあわせ空輸でくる輸送費も含まれる為、年末くらいに日本に着く船便と同じ価格に下がれば充分な価値があると思います。そもそも船便での輸入もあるわけですから、ただの初物だけの価値のものではないということです。


ちなみに高いヌーボーをお安くということでここ数年ペットボトル入りのヌーボーが韓国PBビール同様人気をはくしていますが、安くて飲んだ気になれはなんでもいい、という考えはこれまでヌーボーを育ててきた酒屋には残念です。

ボージョレー生産者から品質に責任をもてないと反発を食らいながら、フランス政府から大丈夫とお墨付きをもらってしまったペットボトルですが、ペットだから品質が悪いとはいいませんが、ペットボトルに入れて売る生産者が果たして全うに勝負する生産者なのかといえば疑問です。

去年友人とお客さんの飲食店にヌーボーを数本持ち込んで飲み比べしましたが、やはり値段がたかいヌーボーは高いだけの味わいがありました。懐に無理をして高いヌーボーを飲む必要はありませんが、必要以上に安いものを買って「ヌーボーっておいしくないね」といわれるのはつらいところです。


さてさて前置きが長くなりましたが、今年のヌーボーはある生産者の話からは「選別を厳しくしているため今年の収穫量は最低になりました・・・」ってことは出来がよくないってこと??? といっても、ヌーボーを一代でここまで有名にしたジョルジュ・デュブッフからは出来のいい葡萄の採れた年しかつくらないシュプレーム(最高の、至上の意)が今年も出るということなので悪くないはず・・・。

収穫まで出来はわからないとして、酒屋や飲食店の今年の販売傾向としては、近年ヌーボーの質と価格の幅がかなり大きくなった為に、「価格の分だけ価値のある」ヌーボーをえり分けて販売していくことになりそうです。

例えば生産者の名前だけでなく、フリーラン(圧力を掛けずに自重で搾るので皮や種の苦味が少ない)、ノンフィルター(濾過していないので果実分が含まれるにごりワイン)、無農薬・無化学肥料・有機栽培、ボージョレー地区リヨン杯の金賞受賞酒、権威あるワイン愛好家のお墨付きなどの付加価値も重要。

実際解禁まで飲んでみなければわからないヌーボーですから、外部的権威や生産法などの付加価値による味の保障というものも目安のなることでしょう。それがあたるかどうかは飲んでみて確かめて、来年の判断にするべきでしょうが。


とにかく、今年も楽しいヌーボーが飲めることを楽しみにしています。


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