全国の業務用酒販店で構成するLIAがドメーヌと提携して委託生産するオリジナル・ヌーボー「ドメーヌ・シュヴァリエ・デ・シゾー2015」 が2015年11月19日に解禁されます。
LIAではブドウの剪定から大前氏を現地に派遣し、全般にわたり監修を依頼しています。
今夏は例年にない猛暑となり、果実が小降りで果皮が厚く、生産量が少ない代わりに
「濃縮感」「成熟感」「スパイシーさ」のあるヌーボーとなりました。2003年、2009年に匹敵する
「当たり年」といっていいでしょう。
猛暑のため病害虫被害もなく健全であるとともに、収穫も早めの為例年より落ち着いた味となっていますが、アルコールとの調和など、3~6カ月程度はさらにおいしく飲める可能性がありますので、クリスマスや新年に飲むのもオススメです。
「MW大橋健一氏によるバルクサンプル試飲コメント」
中心に暗い芯を残す中程度のルビー・レッドで、青紫の美しいリムを呈する。芳香性が高く、丁子や甘草様のスパイスの印象に、赤や黒のベリー系の果実香、そしてフレッシュ・ハーブの香、全体的にはよく熟した香りが広がる。
味わいはフレッシュ、そこには中程度の酸、スパイシーにも感じる軽めの渋みが存在し、総じて高い熟度を想像させるテクスチャー。余韻には、やはり果実の成熟度の高さや種子に由来するスパイシーなフレーヴァーが残ります。まだ若い状態ゆえにアルコール感が調和した状態ではないものの、それは今後3~6カ月程度の更なる熟成の可能性を期待させる。
総評として、2015年のシュヴァリエ・デ・シゾーの新酒は「かなりの葡萄の成熟度の高さを呈し、スパイシーなスタイル」の一本であると言えるでしょう。

2015/09/07
山仁酒店社長の
大橋健一氏が、日本在住の日本人で初めての
マスター・オブ・ワイン(MW)となる。7日昼前に、ロンドンのマスター・オブ・ワイン協会から、最終試験のリサーチ・ペーパーが合格したという連絡を受けた。11月3日に、ロンドンで授与式がある。
MWはワイン界で最難関の資格。今回の新合格で24か国に340人の資格者がいる。日本人ではロンドンの金融業界で働く田中麻衣さんが2011年に取得し、日本在住者ではコンサルタントのネッド・グッドウィン氏(現・オーストラリア在住)が2010年に取得したが、
日本のトレードで働く日本人のMWは初めて。
試験はロンドン、シドニー、ナパヴァレーで行われる。筆記と実技(試飲)に合格した後に論文を提出して、審査に認められなければならない。MWはトレード、ワインメーカー、ジャーナリスト、コンサルタント、教育者などで活躍している。ワイン業界に大きな発言力を持ち、あらゆるワイナリーへのパスポートを手にする特別なクラブのメンバーとなる。
MWの試験は非常に難しい。理論は栽培、醸造、ビジネス、時事問題など幅広い分野にわたる。それ以上に難しいのがブラインドの試飲。出題範囲は全世界にわたり、南米、南ア、東欧など、日本には輸入量が少ないワインもカバーする必要がある。ボルドーやブルゴーニュなど伝統産地は、格付けまで高い精度で正答しなければならない。品種、産地、品質、生産方法、熟成の可能性、商業的な位置づけなどを答える。
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